おかだのブログ

たくさん本読みます

【読了】サラバ!【感想】

サラバ!読み終えました。

 

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小学館文庫『サラバ!』西加奈子|小学館www.shogakukan.co.jp

 

 

作者西加奈子さんの作家10周年記念作品であり

本屋大賞第2位であり

直木賞受賞作品でもあります

 

 

これまでの本屋大賞 | 本屋大賞www.hontai.or.jp

 

直木賞-選評の概要-第152回|直木賞のすべてprizesworld.com

 

 

もーてんこ盛り

何度も書いてますが本屋大賞受賞作は本当に面白いんです。

 

 

 

今まで多分100冊とか200冊とか読んできましたけど、この本はぶち抜けて面白いです

私の好きな本ベスト3には入ります

 

 

 

村上春樹好きの私も西加奈子に浮気してしまうくらい好きです

西加奈子さんの作品本当いいんですよ

 

 

絶対最後『サラバ』って言っちゃいます

 

 

あらすじ

これは、一人の男が生まれ成長し、挫折と裏切りにも似た絶望を感じ、再び思い出の地で何かと向き合う気持ちを固めるお話です。

主人公・圷歩(あくつあゆむ)は父親の海外赴任先である、イランの病院で制を受けた。その後父と母、問題児と云われる姉と共に革命のために帰国を余儀なくされた歩は大阪での新生活を始める。その後再び父親の赴任先が移動し、圷一家はエジプトへと移る。そこで歩は一生涯の親友・ヤコブと出会う。だがしかし、両親が離婚することになりヤコブともお別れに。圷一家が朴一家がばらばらにいくなかいく…。近所に住む教祖のごとく祀り上げられている矢田のおばちゃん、阪神大震災、様々なことを経験しながらも、ライターとして働きとくに問題もなく自分は、自分だけは生活しているはずだと信じていたのだが―

 

 

【感想】

この本は今まで容姿にも恵まれ

順風満帆にやってきたが

歳をとるにつれてなにもかも上手くいかなくなり

クズになった30代男性が救われる本です

 

 

 

サラバ!で1番好きなところは

題名にもなっているサラバのところなんですけど、

 

 

 

少年時代エジプトでヤコブという親友に会うんです

日本からエジプトに移ったため言葉が通じません

でも少年時代の主人公とヤコブは言葉が通じなくても、

お互いの気持ちが理解できるんです。

『サラバ』という言葉だけで

 

 

 

少年の時はそれでいいんです

『サラバ』だけ話せれば分かり合えるんです

 

 

 

時が経って大人になります

若い時は持ち前の容姿でどうにかなっていましたが、

どうにもならなくなる

成長しない自分、

それでも時は流れます

 

 

 

物語の最後で

主人公は少年時代の親友ヤコブに会います

大人になった2人は会話ができます

言語が通じ合うのですが、

心は通じ合いません。

 

 

 

昔はあんなに簡単だったのに

大人になってわからなくなる

成長していたつもりになっていただけ

 

 

 

ヤコブから『サラバ』と言われ

言葉も体裁もいらない

『サラバ』だけあればいいことに気がつき

主人公は永い時を得て『サラバ』を思い出した

 

 

 

というところが好きです。

 

 

 

本当に大事なものはなにか

主人公は知っていたのに、忘れていました

 

 

 

それを最後に思い出してまた一歩踏み出していく

大切なものを、信じるものを自分で決めていく

 

 

 

本当に大事なことほど、

大人になるにつれてわからなくなってしまうのかもしれません。

 

 

 

 

 

この本好きすぎるんで

この本の名言も載せときます。

 

 

 

「確かに私は、色々なものを信じた。そして傷つき、打ちのめされてきた。でもね、歩。私は少なくとも、信じようとしたのよ。あなたは違う。何かを信じようとしてこなかった。」

 

 

 

主人公の姉が言った言葉です

 

 

 

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」

 

 

 

うーん、深い

 

 

【総括】

人生挫折と成長

サラバ!!!!!!!!!!!!

 

 

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【読了】百貨の魔法【感想】

百貨の魔法読み終えました。

 

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あらすじ

時代の波に抗しきれず、「閉店が近いのでは?」と噂が飛び交う星野百貨店。エレベーターガール、新人コンシェルジュ、宝飾品売り場のフロアマネージャー、テナントのスタッフ、創業者の一族らが、それぞれの立場で街の人びとに愛されてきたデパートを守ろうと、今日も売り場に立ちつづける――。百貨店で働く人たちと館内に住むと噂される「白い猫」が織りなす、魔法のような物語! 

 

www.poplar.co.jp

 

2018年の本屋大賞受賞作品

 

www.hontai.or.jp

 

 

いやーいいですよね本屋大賞

ほんと本屋大賞受賞作品ではずしたことはないですね

 

 

この本は内容もいいんですけど

本の装丁も素晴らしいんです。

 

 

見てください。

 

 

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ああ素晴らしい

出版社の方の意気込みがうかがえますね。(よくわかりません)

 

 

全体が紫というか青っぽいのがいいですよね

たまらん

 

 

ええ

では感想入っていきましょう。

 

 

 【感想】

地元地域に根付く大型百貨店昔は良かったけど、、、

時代と共に取り残されていく百貨店の魔法と奇跡の物語です。

 

 

いくつかの短編で構成されていて、百貨店に纏わる別の話で構成されていますが、

どこかでそれが繋がったり繋がらなかったり

色んな所でファンタジーを感じる不思議な話もあり

 

 

 

作中にこんな言葉が出てきます

 

 

おとなの役割はきっと、子どもを無理に夢から覚ますことじゃないわ。でね、魔法の夢を見ていた時代は、あとできっと、幸せな思い出になるの

 

 

 

なんかすごくいい言葉ですよね

現実を見せるのも大事ですけど、それ以上に夢を見せることのほうが大事

 

 

 

歳をとって夢から自然に覚めますが、

夢を見てたころの思い出は自分の中で特別なものになりますよね

 

 

 

できればいつまでも夢をみていたいですが

なかなかそうはいかないですよね

 

 

 

【総括】

出てくる人みんないい人

 

 

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【継続】武器になる哲学 03 タブラ・ラサ【勉強用】

武器になる哲学を読みます。

 

 

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【写真】武器になる哲学

 

「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

www.kadokawa.co.jp

 

3回目いきましょう

 

 

読んで書くのにかなりの時間がかかります、、、

 

 

【03 タブラ・ラサジョン・ロック

 

ja.wikipedia.org

 

タブラ・ラサとはラテン語で「なにも書かれていない石版」という意味になります。

 

 

何事も、実際に存在するものに対する私たちの考え

つまり現実世界についての理解は、

感覚を通して得られた経験により直接的に導かれるか、

あるいは間接的に経験から導き出された要素が元になっている、

ということです。

 

 

しかしこのような主張は現代の私たちにとってもあまりにも当たり前に思えます。

 

 

その人が何を言おうとしているのかをより正確に理解しようとする場合、

その人が何を肯定しているかよりも、

その人が何を否定しているかを知る方がより重要な場合があります。

 

 

哲学においてもまた、この考えは有効です。

 

 

ロックは彼の先人である2人の偉大な哲学者の考えを否定しました。

 

 

1人はデカルトです。

 

ja.wikipedia.org

 

世界についての自分の理解は、

純粋な思惟と演繹によって得ることができる

つまり経験に頼らずに世界を正確に認識することが可能だ、

というデカルトの考え方を

ロックは明確に否定しました。

 

 

もう1人はプラトンです。

 

ja.wikipedia.org

 

 

ラトンはイデア*1に関連して、

人は生まれながらにして前世で得た知識を有していると考えましたが、

ロックはこれを明確に否定しました。

 

 

 

つまり、生まれた時は白紙の状態であり、

その上に経験が描かれていくことによって、

現実についての知識や理解が築かれていくという考え方をしたわけです。

 

 

今なら当たり前のような考え方ですが、

これをロックが主張したときは、

社会にとって画期的なことでした。

 

 

なぜなら生まれて時は

誰の心の状態も白紙なのであれば、

人間に生まれついての優劣はない、

ということになるからです。

 

 

個人の素養は全て、

生まれた後にどのように経験するかによって決まるわけで、

これはつまり教育によって人間が

出来上がるということをいっているのです。

 

 

大衆も教育を受けることによって

社会的に隷属状態から解放され、

全員が平等な立場に立てるという信念の形成へと繋がっていきます。

 

 

さらに加えると

人は経験と学習によっていくらでも学ぶことができる、

と言うのがロックの主張の主題だと考えれば、

これは人生におけるどの部分においても適用して考えることができます。

 

 

寿命が100年になろうかという時代においては

「学び直し」もまた重要な論点になっていきます。

 

 

特にテクノロジーの進歩が今日のように著しい社会では、

一度学んだ知識がすぐに陳腐化してしまう傾向にあります。

 

 

この点を考えた場合、

自分の経験をリセットする、

いわば頭を真っ白な石版=タブラ・ラサの状態に戻せるか、

戻せたとしても、

そこに有意義な経験や知識を書き入れることができるのか

が大きな論点になります。

 

 

 

【感想】

 

 今普通に教育を受けていられるのは

 

 

過去のこのようなことがあったから

 

 

無事教育が受けられてるんだなと

 

 

今現在もプラトン

前世で得た知識を有しているという

理論が適用されているならば

 

 

万人に同様の教育を施そうという社会になってなかったのかも知れませんね

 

 

ただ、前世で得た知識を有している

 

 

というのは少し夢がある理論ですね

 

 

 

【総括】

いくつになっても学びは大事

 

 

 

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*1:

イデアという言葉で、われわれの肉眼に見える形ではなく、言ってみれば「心の目」「魂の目」によって洞察される純粋な形、つまり「ものごとの真の姿」や「ものごとの原型」に言及する。プラトンのいうイデア幾何学的な図形の完全な姿がモデルともとれる。

プラトンにおけるイデアの理解は一定しているわけではなく、書かれた時期によって変遷が見られるという。一般にプラトンイデア論というと中期のそれを指していることが多い。

【読了】TVピープル【感想】

TVピープル読み終えました。

 

 

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あらすじ

不意に部屋に侵入してきたTVピープル。詩を読むようにひとりごとを言う若者。男にとても犯されやすいという特性をもつ美しい女性建築家。17日間一睡もできず、さらに目が冴えている女。―それぞれが謎をかけてくるような、怖くて、奇妙な世界をつくりだす。作家の新しい到達点を示す、魅惑にみちた六つの短篇。表題作「TVピープル」のほかに、「飛行機―あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」、「我らの時代のフォークロア―高度資本主義前史」、「加納クレタ」、「ゾンビ」、「眠り」。生と死、現実と非現実のあいだの壁が取り払われて、さて何が起こるのか。小説の領域を一挙に拡大する作家の、新しい到達点を示す。

 

 

村上春樹さんの作品の1つになります。

 

 

 

村上春樹 Haruki Murakami 新潮社公式サイトwww.shinchosha.co.jp

 

 

 

今年のノーベル文学賞も惜しかったですね。

 

 

 

「ノーベル文学賞のたびにがっかりされて...」 毎年「逃す」報道の村上春樹が「可哀想」(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュースheadlines.yahoo.co.jp

 

 

 

私は生粋の村上春樹好きです。

 

 

村上春樹好きです!

 

 

そうなにを隠そう村上春樹が好きなんです

 

 

1番最初に読んだのはノルウェイの森でした。

あれを読んだときは色々と衝撃的だったな

色んな意味で、、、

 

 

 

1番好きなのは海辺のカフカです。

他の作品よりは幾分読みやすい気がします(それでも謎ばかり)

 

 

皆さんも読んでみてください

 

 

 

では内容に入っていきましょう

 

 

【内容】

 

 

TVピープルから始まる6つの短篇からなります。

 

 

全体的に村上ワールド全開の作品達ですね(褒め言葉)

 

 

全部の内容紹介してると日が暮れるので

題名でもあるTVピープルの紹介をしていきます。

 

 

 

不意に部屋のなかにTVピープルがTVを運んで来ます。

TVピープルは人間を縮小した小さな人であり、無駄のない動きでTVを置いて、点検して消えていきます。

 

 

作品のなかでTVピープルは主人公しか認識できておらず(他の人の視界には入っているが居らぬものとして扱われている)、

主人公の部屋以外にも会社の会議室にも出現する。

 

 

TVピープルは出現から消えるまで一貫してTVを運んで設置することだけを考えています。

 

 

どこに置けば適切なのか

しっかりと作動するのか(作動してもずっと砂嵐です)

 

 

 

TVピープルが主人公の自宅にTVを置いて

数日経った後TVピープルから突然「もう妻はダメだから帰ってこない」と言われ物語は終了します。

 

 

 

【感想】

 

 

さすが村上ワールド、、、

 

 

意味わからん。。。(いい意味で)

たびたび出てくるこの妖精みたいなやつはなんなんでしょうね。

1Q84のリトルピープルみたいなやつ

 

 

TVピープルがTVを置いていって、

妻が帰ってこないと言われるまでの関連性とか

そもそもなぜTVピープルは認識しないものなのか謎が深まるばかりですね

 

 

まだまだ私がこの話を理解するのには

時間がかかるのかもしれませんね

 

 

あるいは理解しようとすること自体が

ずれているのかもしれません

 

 

 

【総括】

むずかしい

 よくわからん

でも好きです村上春樹さん

 

 

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【継続】武器になる哲学 02予定説【勉強用】

武器になる哲学読みます。

 

 

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「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

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2回目いきましょう、

 

 

寝る前に覚えていきましょう

 

 

【02予定説】ジャン・カルヴァン

 

 

ja.wikipedia.org

 

 

16世紀に始まった宗教改革*1

ルターによって口火が切られます。

 

ja.wikipedia.org

 

ルターはカトリック教会から破門され、

帝国から追放されますが、

ザクセン選帝侯によって保護を受け、

神学の研究にさらに打ち込みます。

 

ja.wikipedia.org

 

このルターの教えはドイツばかりか、

ヨーロッパ全土に広がっていき、やがて「プロテスタント

と呼ばれる大きな運動につながっていきます。

 

 

プロテスタントという言葉はもともと

「意義を申し立てる」という意味で

つまり「喧嘩を売る」と言うことになります。

 

 

当時のヨーロッパ世界を思想的に支配していたのが

ローマ・カトリック教会ですので、

すごいことだったんですね。

 

 

このルターがローマ・カトリック教会

贖罪符に対してケチをつけました。

 

 

ja.wikipedia.org

 

 

贖罪符については教会内部でも「アレはどうかと思うけどね」

という神学者も多くて、

半ば教皇をはじめとする権力者が作り出した「空気」に

押し切られて販売された側面もあり、

ルターの問題提起は教会の「痛いところをついた」ことになります。

 

 

このルターのプロテスタンティズムに強固な思想体系を与えたのが

ジャン・カルヴァンでした。

 

 

その思想体系がやがて資本主義・民主主義の礎となり、

世界史的な影響力を発揮して行くことになりますが、

そのポイントの最大の鍵が「予定説」になります。

 

 

ある人が神の救済をあずかれるかどうかは、

あらかじめ決定されており、

この世で善行を積んだかどうかといったことは、

まったく関係がない

 

 

驚くべき思想

カルヴァンはそもそも「善行を働いた」とか「悪行を重ねた」

とかいうこと自体どうでもいいことだと主張したのです。

 

 

予定説によれば、

信仰を篤く持とうが善行を多く重ねようが、

その人が神によって救済されるかどうかには「関係ない」

ということになります。

 

 

この考え方は、

私たちが一般的に考える「動機」の認識と大きな矛盾を起こします。

 

 

「報酬」と「努力」の関係で言えば、

「報酬」が約束されるからこそ「努力」するための動機が生まれる。

 

 

ところが予定説では「努力」は関係なく。

あらかじめ「報酬」をもらう人ともらえない人は決まっている

と考えます。

 

 

 

さて「努力に関係なく、救済される人はあらかじめ決まっている」

というルールの下では、

人は頑張れないし無気力になってしまうように思うのですが、

 

 

 

「まったく逆だ」と主張しているのがマックス・ヴェーバーです。

 

ja.wikipedia.org

 

 

救済にあずかれるかどうか全く不明であり、

現世での善行ももたないとすると、

人々は虚無的な思想に陥るほかないように思われるでしょう。

 

 

しかしヴェーバーは次のように説きます。

 

 

全能の神に救われるようにあらかじめ定められた人間であれば、禁欲的に天命を務めて成功する人間だろうと、考え、『自分こそは救済されるべき選ばれた人間なんだ』という証を得るために、禁欲的に職業に励もうとした」

 

 

この意見に対して賛否両論はありますが、

現在の社会の人事制度を考えてみると正しいのかもしれません。

 

 

その上でなお、因果応報を否定する予定説が、

資本主義の爆発的発展に寄与したのであるとするならば、

私たちは何のために莫大な費用と手間をかけて「人事評価」

というものを設計し、運用しているのか、

あらためて考えるべきなのかもしれません。

 

 

 

【感想】

 

 

予定説の最後に哲学者内田樹の紹介があります。

 

ja.wikipedia.org

 

 

自分の努力に対して正確に相関する報酬を受け取れる。

そういうわかりやすいシステムであれば、人間はよく働く。そう思っている人がすごく多い。

雇用問題の本を読むとだいたいそう書いてある。でも僕は、それは違うと思う。

労働と報酬が正確に数値的に相関したら、

人間は誰も働きませんよ。何の驚きも何の喜びもないんですもん。

 

 

 

予定説に関しては難しい記述が多く

正直わからない部分がありますが、

 

 

努力=報われるもの

という考えは確かにあまい考えなのかもしれません。

 

 

事実努力では超えられない壁というのは存在しますし、

その壁を超えられるかはその人の才能次第といった一面もあります。

 

 

本音をいうと全ての物事は努力によって解決でき

努力は全て報われると考えたいですが、

現実はやはり違いますね。

 

 

努力で全て上手くいかないからこそ、

人はある分野において秀でた人を応援するし、

だからこそ努力を重ねるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもまあ努力は大事ですけどね。

 

 

【総括】

努力、、、大事

 

 

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*1:

宗教改革(しゅうきょうかいかく、: Protestant Reformation)とは、16世紀中世末期)のキリスト教世界における教会体制上の革新運動である。贖宥状に対するルターの批判がきっかけとなり、以前から指摘されていた教皇位の世俗化、聖職者の堕落などへの信徒の不満と結びついて、ローマ・カトリック教会からプロテスタントの分離へと発展した。

ルターによるルター教会チューリッヒツヴィングリジュネーヴカルヴァンなど各都市による改革派教会ヘンリー8世によって始まったイギリス国教会などが成立した。また、当時はその他にアナバプテスト(今日メノナイトが現存)など急進派も力を持っていた

【読了】本と鍵の季節【感想】

本と鍵の季節読み終えました。

 

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【写真】本と鍵の季節

 

 

あらすじ

堀川次郎は高校二年の図書委員。
利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。
そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。

放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!

 

renzaburo.jp

books.shueisha.co.jp

 

 

米澤穂信さんの作品!

 

 

私は古典部シリーズが大好きです

「いまさら翼といわれても」とかタイトルのセンスがありすぎて

読む前からやばかった

 

 

満願、王のサーカスも好きなので楽しみに読みました。

 

promo.kadokawa.co.jp

 

 

 

全六編からなる短編集

 

 

物語は図書室で始まります。

 

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【写真】図書室

 

【感想】

 

ミステリーが詰まった作品。

 

 

私は考えるのが苦手なため

最後まで読み進めないとなかなか理解できない部分がありましたが、

最後には「あー」ってなりました。

 

 

比較的読みやすく

短編なので少しずつ読み進めるのに向いています。

 

 

主人公の言う皮肉がなかなかいいんですよね(たまに自分に返ってくる気がします)

 

 

現実にありそうでないお話

なかなか現実にあったらこわいかもしれませんね。

 

 

ひとりひとり考えていることが違う

 

 

もちろん正義の捉え方も違う

 

 

なにが正義で何が悪かわかりませんが

 

 

正義とはなにか

考え続けることが大事なのかもしれませんね

 

 

 

 

【総括】

頭の回転早いの羨ましい

 

 

 

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【読了】蜜蜂と遠雷【感想】

 

蜜蜂と遠雷読み終わりました。

   

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あらすじ

俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院マサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

 

直樹賞受賞作品でもあります。

 

prizesworld.com

 

最近映画化もしましたね。

映画もみたいな

 

mitsubachi-enrai-movie.jp

 

 

恩田陸さんのプロフィール

www.shinchosha.co.jp

 

 

 

内容としては、ピアノコンクールの話になります。

 

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【写真】ピアノ

 

主な登場人物は4人 

 

 

・風間 塵(16)

:今作の要とも言える、台風の目のような存在。自宅にピアノがない。

・栄伝 亜夜(20)

:ヒロイン。天才少女だったが、長らくピアノは弾けなかった。

・高島 明石(28)

:サラリーマン。年齢制限ギリギリ、妻子持ち。

マサル・C・レヴィ・アナトール(19)

:天才・イケメン。栄伝とは幼少期共に過ごしたことがある。

 

 

この登場人物の各視点から、物語は進んでいきます。

・エントリー

・第一次予選

・第二次予選

・第三次予選

・本選

 

 

上記の5章から構成されており、507ページとぎっしりとした本になります。 

文字数的にはかなりの量があるので、読むのには時間がかかると思うので覚悟してください。

 

 

【感想】

 

 

内容に入っていこうと思いますが、まず最初に

 

 

音楽のこと何も知らなくても面白いです。

 

 

私も別にクラシックとか全然聞きませんが、わからなくても読めます。

 

 

演奏中の描写が多々ありますが、とても豊かに表現されています。

 

 

 目を閉じて想像するだけで演奏中の映像浮かぶので大丈夫です。

 でもBGMでクラシックを聴いてるとよりリアルに感じられるのでオススメかも。

 

 

 個人的にはとても好きな本です

 

 

ピアノのコンクールの成り立ちや演奏曲の選定の仕方

 

 

曲のイメージや演奏中の心理状態などが細かく書かれているので、 

全く知識がなくても素直に読めます。

 

 

登場人物がどんな想いを持ってピアノを弾いているのか、

どんなイメージを曲に乗せているのか、 

感情移入しやすい作品なので余計感動できると思います。

 

 

登場人物同士の関わりや想いの変化も描写されている為、

その場面場面で多くの楽しみがありました。

 

 

ひとりひとりのピアノにかける想いは違うけれど

ピアノが好き、音楽が好きという気持ちは変わらない

 

 

それぞれの立場があり

誰にも負けられない状況にありながら

互いに尊重し合い認め合う

 

 

なかなかできることではありませんが

こういった関係というのはすごく大事なことだと思いました。

 

 

【総括】

ピアノが弾きたくなった(弾けない)

 

 

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