おかだのブログ

たくさん本読みます

【継続】武器になる哲学 10自己実現的人間【勉強用】

武器になる哲学読みます。

 

 

 

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「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

www.kadokawa.co.jp

 

 

ついに二桁に到達しました。

全体の5分の1、、、

 

 

【10自己実現的人間】エイブラハム・マズロー

 

ja.wikipedia.org

 

 

マズローは人間の欲求を次の五段階に分けて構造化しました。

 

 

第一段階:生理の欲求

第二段階:安全の欲求

第三段階:社会欲求と愛の欲求

第四段階:承認(尊重)の欲求

第五段階:自己実現の欲求

 

 

マズローの欲求五段階説は、皮膚感覚にとても馴染むこともあって、爆発的といっていいほど浸透したわけですが、実証実験ではこの仮説を説明できるような結果が出ず、未だアカデミックな心理学の世界では扱いの難しい概念のようです。

 

 

マズロー自身は、これらの欲求は段階的なものであり、より低次の欲求が満たされることで、次の段階の欲求が生まれると考えていたのですが、この考え方もあとにあらためるなど、提唱者自身の言説にもかなりの混乱が見られます。

 

 

確かに、少なくない数の成功者は、功成り、名を遂げた後で、セックスやドラッグに溺れていくことを私たちは知っています。

 

 

セックスというのはこの枠組みで普通に解釈すれば、第一段階の「生理の欲求」ということになりますから、マズローが当初主張した、「欲求のレベルがシーケンシャルに不可逆に上昇していく」という仮説は、ちょっと考えただけで誤りということがわかります。

 

 

このように書くと、もしかしたら「いや、それはマズローのいう意味での“生理の欲求”とは違うんだ」といった反論があるかも知れませんが、そもそもマズロー自身による「欲求の定義」は、もとから曖昧な上に、時間軸で揺れ動いているようなところがあるので、こういった議論にはあまり意味がないように思います。

 

 

マズローは、欲求欲求五段階説の最高位にある「自己実現」を果たしたと、マズロー自身がみなした多くの歴史上の人物と、当時存命中だったアインシュタインやその他の人物の事例研究を通じて、自己実現を成し遂げた人に共通する15の特徴」を挙げたんですね。

 

 

1現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つこと

 願望・欲望・不安・恐怖・楽観主義・悲観主義などに基づいた予見をしない。

未知なものや曖昧なものにおぼえたり驚いたりせず、むしろ好む。

 

2受容(自己・他者・自然)

人間性の脆さ、罪深さ、弱さ、邪悪さを、ちょうど自然を自然のままに無条件に受け入れるのと同じように受け入れることができる。

 

3自発性、単純さ、自然さ

行動、思想、衝動などにおいて自発的である。

行動の特徴は単純で、自然で、気取りや効果を狙った緊張がない。

 

4課題中心的

哲学的、倫理的な基本的問題に関心があり、広い準拠枠の中で生きている。

木を見て森を見失うことがない。

広く、普遍的で、世紀単位の価値の枠組みを持って仕事をする。

 

5超越的ープライバシーの欲求

独りでいても、傷ついたり、不安になったりしない。

孤独やプライバシーを好む。

このような超越性は、一般的な人たちからは、冷たさ、愛情の欠落、友情のなさ、敵意などに解釈される場合がある。

 

6自律性ー文化と環境からの独立・意思・能動的人間

比較的に物理的環境や社会的環境から独立している。

外部から得られる愛や安全などによる満足は必要とせず、自分自身の発展や成長のために、自分自身の可能性と潜在能力を頼みとする。

 

7認識が絶えず新鮮であること

人生の基本的なモノゴトを、何度も新鮮に、純真に畏敬や喜び、驚きや恍惚感などを持ちながら認識し、味わうことができる。

 

8神秘的体験ー至高体験

神秘的な体験をもっている。

恍惚感と驚きと畏敬を同時にもたらすような、とてつもなく重要で価値のある何かが起こったという確信である。

 

9共同社会感情

人類一般に対して、時には怒ったり、いらだったり、嫌気がさしても、同一視や同情・愛情をもち、人類を助けようと心から願っている。

 

10対人関係

心が広く深い対人関係をもっている。

少数の人たちと、特別に深い結びつきを持っている。

これは、自己実現的に非常に親密であるためには、かなりの時間を必要とするからである。

 

11民主的性格構造

もっとも深遠な意味で民主的である。

階級や教育制度、政治的信念、人類や皮膚の色などに関係なく、彼らにふさわしい性格の人とは誰とでも親しくできる。

 

12手段と目的の区別、善悪の区別

非常に倫理的ではっきりとした道徳基準をもっていて、正しいことを行い、間違ったことはしない。

手段と目的を明確に区別でき、手段よりも目的のほうにひきつけられる。

 

13哲学的で悪意のないユーモアセンス

悪意のあるユーモア、優越感によるユーモア、権威に対抗するユーモアでは笑わない。彼らがユーモアとみなすものは、哲学的である。

 

14創造性

特殊な創造性、独創性、発明の才をもっている。

その創造性は、健全な子供の天真爛漫で普遍的な創造性と同類である。

 

15文化に組み込まれることへの抵抗

自己実現的人間は、いろいろな方法で文化の中でうまくやっているが、非常に深い意味で、文化に組み込まれることに抵抗している。社会の規制ではなく、自らの規制に従っている。

 

 

一つ一つに指摘にそれぞれ深遠的な響きがあり、自分がそのような存在であるが、省みるための大きな契機になるように感じられるのではないでしょうか。

 

 

私たちは一般的に、知人や友人は多ければ多いほど良い、と思う傾向があります。

確かに、友人や知人の数が多ければ、例えば仕事で声をかけてもらうとか、あるいは何かのときに助けてもらうことは、より容易になると思われます。

 

 

マズローの考察によれば、成功者中の成功者である「自己実現的人間」は、むしろ孤立気味で、ごく少数の人とだけ深い関係を作っている。

このマズローの指摘は、ソーシャルメディアなどを通してどんどん「薄く、広く」なっている私たちの人間関係について、再考させる契機なのではないでしょうか

 

 

実は同様に指摘している人が、過去の賢人の中にもいます。

例えば『荘子』の「山木篇」に「小人の交わりは甘きこと醴の如し、君子の交わりは淡き水の如し」という言葉があります。

醴とは甘酒のようにべったり甘い飲み物のことです。

つまり荘子は、物事をわきまえていな小人たちの付き合いはべたべたしており、その逆である君子の付き合いは、水のようにあっさりしていると言っているわけです。

 

 

さらに『荘子』では以下のように続きます。

「君子は淡くして以って親しみ、小人は甘くして以って断つ。彼の故無くして以って合する者は、即ち故無くして以って離る」

 つまり、君子は交友が淡いからこそ続き、小人は交友が甘いがゆえにすぐに終わるのだという、まあかなり意訳してますが、そういうことを言っているわけです。

 

 

小人の交わりというのは「故無くして断つ」わけで、そこには自立という観点がありません。

つまり、お互いがお互いに依存している状況になっていて、そこから抜けだせずにベタベタと付き合っているということです。

 

 

心理学ではこの状況を共依存という概念で整理します。

共依存はもともと、アルコール依存症の患者がパートナーに依存しながら、また同時にパートナーも患者のケアという行為に自分自身の存在価値を見出していくような状態がしばしば観察されたことから、看護現場で生まれた概念です。 

 

 

そしてここが重要なんですが、共依存の関係にあるアルコール依存症患者とそのパートナーは、アルコール依存症そのものが関係性を維持するための重要な契機になっていることに無意識のうちに理解しているため依存症の治癒につながるような行為の妨害(=イネーブリング)したり、結果として患者が自立する機会を阻害したりする、という自己中心性を秘めていることが報告されています。

 

 

表面的には「他者のため」という名目で、本人自身もアタマからそう自覚しながら、実は自己本意な存在確認ん欲求を秘めている。これが共依存の関係です。

 

 

話を元に戻せば、私たちの「広く、薄い」人間関係もまた、そのようになっていないか。

マズローによる「自己実現を成し遂げた人は、ごく少数の人と深い関係を築く」という指摘は、今あらためて、私たちの「人のネットワークの有様」について考える時がきていることを示唆しているように思います。

 

 

【感想】

 

 

自己実現を成し遂げた人に共通する15の特徴」に関しては、

ほんとかなーって思ってしまう部分は多々ありましたが、

確かに広く浅く付き合うよりは、狭く深く付き合うほうがいい気はします。

 

 

また2受容(自己・他者・自然)に関しては、

ありとあらゆるものを受け入れるという点で確かにすごく大事だと思いました。

他人の意見を受け入れられない人は成長できませんもんね。

 

 

何かを手に入れようとする行為は同時に何かを捨てる行為だと誰かは言いましたが、

自己実現するためにはそれ相応の対価が必要のようですね。

誰しもがこのように生きれるわけではないですが、

頭の片隅に入れておくといいかもしれません。

 

 

【総括】

でもちょっと依存しあうのっていいなって思ったり

 

 

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