【継続】武器になる哲学 07報酬【勉強用】
武器になる哲学読みます。
「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。
【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス)
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか
●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル)
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか
●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
・アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム)
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか
●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
・シニフィアンとシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール)
・反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか
7回目です。
この本50項目まであるから、
50回目までできるんですけど、
無事50回もできるのでしょうか
【07 報酬】バラス・スキナー
報酬系に関する研究にスキナーという人がいます。
あの有名なレバーを押し下げるとエサが出る箱
=スキナーボックスを作って、
ネズミがどういう行動をするかを研究した人です。
スキナーは次の4つの条件を設定し、
ネズミがもっともレバーを押し下げるようになるのはどの条件下か、
という実験を行いました。
①レバーの押し下げに関係なく、一定時間感覚でエサが出る
=固定感覚スケジュール
②レバーの押し下げに関係なく、不定期感覚でエサが出る
=変動感覚スケジュール
③レバーを押すと、必ずエサが出る
=固定比率スケジュール
④レバーを押すと、不確実にエサが出る
=変動比率スケジュール
スキナーの実験によると
レバーを押し下げる回数は、
上記の④⇨③⇨②⇨①の順で減少することが分かっています。
この結果について特に注意して欲しいのが、
「③レバーを押すと、必ずエサが出る」
よりも
「④レバーを押すと、不確実にエサが出る」
という条件の方が、
どうもネズミは動機付けされているらしい、
という点です。
この結果は、
私たちが考える『報酬のあるべき姿』からすると、
かなり違和感のあるものではないでしょうか。
これはいわゆる「行為の強化」に関する実験ですが、
行為は、その行為による報酬が必ず与えられると分かっている時よりも、不確実に与えられる時の方がより効率的に強化される、
ということです。
翻って、この実験結果を人間に当てはめてかんがえてみると、
「不確実なものほどハマりやすい」という生理的傾向が、
この社会の様々な側面に応用されていることがわかります。
まずわかりやすいのがギャンブルです。
ラスベガスのスロットマシンも
日本のパチンコも確率を変動させながら報酬を与える仕組みになっていて、
これにハマる人が後を絶えない。
数年前に社会現象になったコンプガチャも、
まさに変動比率スケジュールによってレアなガチャが出る、
という仕組みになっているわけで、
こういう領域でいろいろとサービスを開発している人たちの
人間性に関する洞察の鋭さには本当に戦慄させられます。
そして最後に思いつくのが
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアです。
違和感を覚える方も多いかもしれません。
長いこと、ドーパミンは快楽物質だと考えられてきました。
しかし、最近の研究ではドーパミンの効果は人に快楽を感じさせることよりも、
何かを求めたり、欲したり、探させたりすることであることが分かってきています。
ドーパミンが駆動するのは
覚醒、意欲、目標志向行動などで、
その対象は、食べ物、異性などの物質的欲求だけでなく、
抽象的な概念、つまり素晴らしいアイデアや新しい知見といったものも含まれます。
因みに最近の研究では快楽に関与しているのは、
ドーパピンよりもオピオイドであることが分かっています。
ケント・バーリッジの研究によれば、
この二つの系=欲求系ドーパミンと
快楽系オピオイドは相補的に働くらしい。
つまり人をコントロールするエンジンとブレーキのような役割ということです。
欲求系=ドーパミンにより特定の行動に駆り立てられ、
快楽系=オピオイドが満足を感じさせて追求行動を停止する。
そしてここが重要な点ですが、
一般的に欲求系は快楽系より強く働くため、
多くの人は常に何らかの欲求を感じて追求行動に駆り立てられるのです。
ドーパミンシステムは、
予測できない出来事に直面したときに刺激されます。
予測できない出来事、
つまりスキナーボックスの実験条件④の場合ということです。
これらのメディアは変動比率スケジュールで動いているため、
人の行動を強化する(繰り返しそれを行わせる)効果が非常に強いのです。
なぜソーシャルメディアにハマるのか?
それは「予測不可能だから」というのが、
近年の学習理論の知見がもたらしてくれる答えだということになります。
【感想】
この手の話は割と面白いですよね。
パチンコとか競馬とかSNSとか
こういった理由でハマるんだーって
確かに毎回必ず出るものより
不確定な方が出たときの嬉しさって倍増しますよね。
「不確実なものほどハマりやすい」
本当にそう思います。
【総括】
ハマりすぎは要注意。
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