おかだのブログ

たくさん本読みます

【継続】武器になる哲学 04ルサンチマン【勉強用】

武器になる哲学を読みます。

 

 

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「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

www.kadokawa.co.jp

 

4回目です

 

 

3日坊主(3回坊主)は脱却

このまま進めていきましょ

 

 

でも、

今回は、

量が、量が

多いんです、

 

 

ああ

 

 

 

【04 ルサンチマン】フリードリッヒ・ニーチェ

 

ja.wikipedia.org

 

 

 

ルサンチマン哲学書入門書の解説風に説明すれば

「弱い立場にあるものが、強者に対して抱く嫉妬、怨恨、憎悪、劣等感などのおり混ざった感情」

ということになります。

 

 

わかりやすくいえば「やっかみ」ということですが、

ニーチェが提示したルサンチマンという概念は

私たちがともすれば「やっかみ」とは思わないような感情や行動まで含めた、

もう少し射程の広い概念です。

 

 

ルサンチマンを抱えた個人は、

その状況を改善するために次の二つの反応を示します。

 

 

  1. ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する
  2. ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる

 

 

この二つの反応は、

共に私たちが自分らしい、

豊かな人生を送るという点で、

大きな阻害要因となり得ます。

順に考察していきます。

 

 

 

まず1点目です

例えば周囲のみんなが高級ブランドバッグを持っているのに自分だけが持っていない、

という状況を想像してください。

 

 

この時、自分が本当に欲しいものではない、

自分のライフスタイルや価値観には合わないとして、

そのブランドバッグを拒絶することはもちろんできるわけですが、

多くの人は同格のブランドバッグを購入することで抱えたルサンチマンを解消しようとします。

 

 

これらの、高級品・ブランド品が市場に提供している便益はルサンチマンの解消」

と考えることができます。

 

 

ルサンチマンを抱えた個人はルサンチマンを解消するための

「記号」としてブランド品などを購入するわけですから、

ルサンチマンを生み出せば生み出すほど、

市場規模は拡大することになります。

 

 

現代人は「平等性」について極めて精密なセンサーを持っていますから、

ちょっとした差に対しても、

ルサンチマンを抱えてしまう可能性はあります。

 

 

そして生み出されたルサンチマンは「記号の購入」という形で

解消されることになり、

かくしてラグジュアリーブランドなどの市場業績は、

この低成長日本においても堅調に推移している、

という具合です。

 

 

しかし当然のことながら、

このような形でルサンチマンを解消し続けても「自分らしい人生」を

生きることは難しいでしょう。

 

 

ルサンチマンは、社会的に共有された価値判断に、

自らの価値判断を隷属・従属させることで生み出されます。

 

 

自分がなにかを欲している時、

その欲求が「素の自分」による欲求に根ざしたものなのか、

あるいは他者によって喚起されたルサンチマンによって駆動されているものなのかを見極めることが重要です。

 

 

ここまでがルサンチマンの原因となる価値基準に隷属・服従する」

ことの危険性を指摘しましたが、

ここからはルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる」

ことの危険性について考えましょう。

 

 

ニーチェによれば、ルサンチマンを抱えた人は、

多くの場合勇気や行動によって事態を好転させることを諦めているため、

ルサンチマンを発生させることの元となっている価値基準を転倒させたり、

逆転した価値基準を主張したりして溜飲を下げようとします。

 

 

古代ローマ時代、ローマ帝国支配下にあったユダヤ人は貧しさにあえぎつつ、

富と権力をもつローマ人などの支配者を羨みながら、憎んでいました。

 

 

そこで彼らの復讐のために神を創り出した、というのです。

 

 

つまり「ローマ人は豊かで、私たちは貧しく、苦しんでいる。しかし天国に行けるのは私たちの方だ。富者や権力者は神から嫌われており、天国にはいけないのだから」

ということです。

 

 

神という、ローマ人より上位にあたる架空の概念を創造することによって

「現実世界の強弱」を反転させ、

心理的な復讐を果たした、

というのがニーチェの説明です。

 

 

ルサンチマンの原因となっている劣等感を、

努力や挑戦によって解消しようとせずに、

劣等感を感じる源となっている「強い他者」を否定する価値観を持ち出すことで自己肯定する、

という考えです。

 

 

さらにニーチェの指摘によれば、

ルサンチマンを抱えた人はルサンチマンに根ざした価値判断の逆転」を提案する言論や主張にすがりついてしまう傾向にあります。

 

 

そのようなコンテンツの典型例として、

ニーチェ自身は「貧しい人は幸いである」と説いた聖書をあげています。

 

 

他にも「労働者は資本家よりも優れている」と説いた『共産党宣言』も

このようなコンテンツに整理できるかも知れません。

 

 

両者とも全世界的に爆発的に普及したことを考えれば、ルサンチマンを抱えた人に価値の逆転を提案するというのは、

一種のキラーコンセプトなのだと言えるのかもしれません。

 

 

このような「価値判断の逆転」が、

単なるルサンチマンに根ざしたものなのか、

より崇高な問題意識に根ざしたものなのかを私たちは見極めなけれないけません。

 

 

だからこそ、

ルサンチマンという複雑な感情とそれが喚起する言動のパターンについての理解が不可欠なのです。

 

 

【感想】

 

フランシス・ベーコンはこんな言葉を残しています。

 

ja.wikipedia.org

 

 

富を軽蔑するように見える人々を余り信用しないほうがよい。

富を得る望みのない人々が、それを軽蔑するからである。

こういう人々が富を得るようになると、

これほど始末に困る手合いはいない

 

 

 

 

現代にはルサンチマンは確かに溢れていますよね。

私自身も他の人が持っているものを欲しがったり、

他のもので代用しようとする時もあります。

 

 

大切なのは自分の価値判断で物事を考え行動することだと思います。

 

 

 

【総括】

ルサンチマンのゲッシュタルト崩壊

 

 

 

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