おかだのブログ

たくさん本読みます

【継続】武器になる哲学 06自由からの逃走【勉強用】

武器になる哲学読みます。

 

 

 

 

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「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

www.kadokawa.co.jp

 

 

6回目になります

 

 

風邪をひきました。

この時期はみなさんも気をつけてください。

 

 

【06自由からの逃走】エーリッヒ・フロム

 

ja.wikipedia.org

 

 

現代に生きる私たちは、

無条件に「自由」を良いものだと考えています。

しかし、本当に「自由」というのは

そんなにいいものでしょうか?

 

 

エーリッヒ・フロムは

彼の著書『自由からの逃走』を通じて、

私たちの「自由」に対する認識に大きな揺さぶりをかけます。

 

 

市民が、中世以来続いた封建制度への隷属から解放されるのは

ヨーロッパでは16世紀から18世紀にかけて、

ルネサンス宗教改革経てからのことで

日本では明治維新を経てから、

ということになります。

 

 

この過程で市民が「自由」を獲得するまでには、

多数の犠牲がともなっており、

いわば「自由」というのは、

非常に高価な買い物であったわけですが、

ではその「高価な自由」を手に入れた人々はそれで幸せになったのか。

 

 

フロムはこの考察するにあたって、

ナチスドイツで発生したファシズム*1に注目します。

 

 

なぜ高価な代償を支払って獲得した「自由の果実」を味わった近代人が、

それを投げ捨て、

ファシズム全体主義にあれほどまでに熱狂したのか。

 

 

自由であることには耐え難い孤独と痛烈な責任を伴う。

これらに耐えつつなお、

真の人間性の発露といえるような自由を希求し続けることによって

初めて人類にとって望ましい社会は生まれるはずですが、

自由がその代償として必然的に生み出す、

刺すような孤独と責任の重さに多くの人々は疲れ果て、

高価な代償を払って手に入れた「自由」を投げ捨てて

ナチズムの全体主義に傾斜することを選んだ。

 

 

ナチズムの支持の中心になったのは

小さな店主・職人・ホワイトカラー労働者から成る下層および

中産階級だったという点にも注意が必要でしょう。

 

 

今まさに日本で進んでいる

「自由な働き方」の主な対象になっているのも、同様な層だからです。

 

 

フロムはまた自由から逃れて権威に盲従することを選んだ

一群の人々に共通する性格特性についても言及しています。

 

 

フロムはナチズウを歓迎した下層中産階級の人々が、

自由から逃走しやすい性格、

自由の重荷から逃れて新しい依存と従属を求めやすい性格であるとし、

これを権威主義的性格」と名付けました。

 

 

フロムによれば、

この性格の持ち主は権威に付き従うことを好む一方で、

他方では「自ら権威でありたいと願い、他のものを服従させたいとも願っている」

つまり、自分より上のものには媚びへつらい、

下のものには威張るような人間の性格です。

 

 

この権威主義的性格こそが、

ファシズム支持の基盤となったものだとフロムは言います。

 

 

ではどうすればいいのか。

『自由からの逃走』の最後に、

フロムは次のように回答しています。

 

 

人間の理想である、個人の成長、幸福を実現するために、

自分を分離するのではなく、

自分自身でものを考えたり、感じたり話したりすることが重要であること。

さらに、何よりも不可欠なのは「自分自身であること」について強い勇気と強さを持ち、自我を徹底的に肯定することだ。

 

 

 【感想】

 

 

自由なのに不自由というのはなかなか

おかしな話ですが、

確かにルールなく今から自由にしてくれと言われても困りますよね。

 

 

ある程度のルールの中だからこそ、

自由に動ける場合もあるのかもしれません。

 

 

自由だからこそ自分で何をするのか選択し

考え、行動することができれば

有意義な自由になるんだと思います。

 

 

 

【総括】

自由とは(概念)

 

 

 

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*1:極右の国家主義的、全体主義的政治形態。初めはイタリアのムッソリーニ政治運動の呼称であったが、広義にはドイツのナチズムやスペインその他の同様の政治運動をさす。自由主義共産主義に反対し、独裁的な指導者や暴力による政治の謳歌などを特徴とする。

【継続】武器になる哲学 05ペルソナ【勉強用】

武器になる哲学読みます。

 

 

 

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「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

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5回目です

 

 

今回はペルソナです

 

 

ペルソナというとどうしてもゲームが先に思い浮かびます

 

 

www.youtube.com

 

 

面白いんですよね

私はペルソナ4が好きです

 

 

 

www.youtube.com

 

 

では内容入りましょう

 

 

【05ペルソナ】カール・グスタフユング

 

ja.wikipedia.org

 

 

パーソナリティとはそれ自体の定義からし

本来的には短期に大きく変化しないものです。

 

 

心理学者ユングはパーソナリティのうち、

外界と接触している部分をペルソナという概念で説明しています。

 

 

ペルソナとは、

元来は古典劇において役者が用いた「お面」のことです。

 

 

ユング

「ペルソナとは、1人の人間がどのような姿を外に向かって示すかということに関する、個人と社会的集合体とのあいだの一種の妥協である」と説明しています。

 

 

つまり実際の自分はそれほど明確に意識されているわけでなく、

常に「どこまでが面でどこまでが顔なのか」

という問いがついて回ることになります。

 

 

「仮面と真実の姿があいまいになる」というモチーフに

我々が惹きつけられるのは、

自分たちのアイデンティティやパーソナリティといったものが

大変脆弱であって、

外部環境次第で歪められたり、

隠しておきたかった無意識が表出したりする恐れがあることを我々が

認識しているからなのかもしれません。

 

 

恐ろしいのは自分自身が「自分らしくない」

言動をとるようになっていても、

そのことに当の本人が全く気づかないことです。

 

 

「自分」と「ペルソナ=仮面」の不一致はネガティブなものに

思われるでしょうが、

ことはそう単純なものではありません。

 

 

人の人格は多面的なもので、ある場所でまとっていたペルソナを

別の場所では別のペルソナに切り替えることで、

なんとか人格のバランスを保って生きている、

というのもまた人間の実際の姿です。

 

 

【感想】

 

ユングの名言

 

他人に対して感じる
“いらだち”や”不快感”は、

自分がどんな人間なのかを
教えてくれる

 

世界を創造するのは
神ではなく、
私たちなのです。

私たちがこの世を
認識することによって、

世界は客観的に
存在することができる。

 

生きることには、
意味があるとも言えるし、
意味がないとも言える。

私は両者の戦いの末に
意味があるという結論に
たどり着きたい。

 

 

私たちは常に意識しなくても

いろいろなペルソナを使い分けて生きているのかもしれません。

 

 

それが良いか悪いかは分かりませんが、

自分1人の時くらいはペルソナをとっておきたいですね。

 

 

 【総括】

ペルソナって言葉かっこいい

 

 

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【読了】百花【感想】

百花読み終えました。

 

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「あなたは誰?」
息子を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく息子。
ふたりには忘れることのできない“事件”があったーー。
現代に新たな光を投げかける、愛と記憶の物語。

世界から猫が消えたなら』『億男』『四月になれば彼女は』の著者、待望の最新刊!

【内容紹介】
晦日、実家に帰ると母がいなかった。
息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。
それは母が息子を忘れていく日々の始まりだった。

認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、泉は母との思い出を蘇らせていく。
ふたりで生きてきた親子には、どうしても忘れることができない出来事があった。
母の記憶が失われていくなかで、泉は思い出す。
あのとき「一度、母を失った」ことを。
泉は封印されていた過去に、手をのばすーー。

現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。
すべてを忘れていく母が、思い出させてくれたこととは何か。 

 

www.youtube.com

 

 

川村元気さんの他の作品も好きです

 

twitter.com

 

めっちゃ映画化してます

 

eiga.com

 

 

ちょっと古いですけど映画はこれが1番好き

主題歌がすごくいいです

 

www.youtube.com

 

 

ちなみに百花の意味とは、

 

いろいろの花。多くの花。「百花咲き乱れる」

 

 

 

 

川村元気さんいい作品ばかりです

 

 

他の作品も追々感想書いていきます

 

 

今回の作品はなんだかちょっと

寂しくなるような

 

 

【感想】

 

認知症になったお母さんと息子の話です。

 

 

シングルマザーで育った主人公、

母親が認知症と診断され

いつもの母親がおかしくなっていく

段々得体の知れないものになっていく恐怖

 

 

支離滅裂になっていく言葉

伝わらない会話

忘れて行く記憶

 

 

でもその中で思い出された事件がありました。

 

 

母親が認知症になったからこそ

わかった事実、思い出された記憶

 

 

 

幼少期の空白だった1年間の謎がどんどん明らかになっていきます。

 

 

 

その間母親はなにをして

なにを感じ

なにを考えていたのか

 

 

 

それを知った主人公は、、、

 

 

 

っていう感じの話です。

 

 

全体的に少し重めの内容ですが、

現代的でリアルな感じがありました。

 

 

 

今回のテーマにもなっていますが、

 

 

愛と記憶の物語

 

 

 

そう愛と記憶の物語です。

 

 

 

この本の素敵なところは、

 

 

 

認知症で母親は多くの記憶を失いますが、

残り続ける記憶もある

 

 

 

記憶を失う分取り戻す記憶がある

 

 

 

昔の何気ない記憶を思い出し愛されていたんだなと

感じるところがいいですね

 

 

【総括】

愛は勝つ

 

 

 

 

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【読了】ICO イコ-霧の城-【感想】

ICO イコ-霧の城-を読みました。

 

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僕が君を守ってあげる。だから手を離さないで。

霧の城が呼んでいる、時が来た、生贄を捧げよ、と。イコはトクサ村に何十年かに1人生まれる角の生えたニエの子。その角を持つ者は「生贄(ニエ)の刻(とき)」が来たら、霧の城へ行き、城の一部となり永遠の命を与えられるという。親友トトによって特別な御印(みしるし)を得たイコは「必ず戻ってくる」と誓い、村を出立するが――。

 

何十年かに一人生まれる、小さな角の生えた子。頭の角は、生贄であることの、まがうことなき「しるし」。十三歳のある日、角は一夜にして伸び、水牛のように姿を現す。それこそが「生贄の刻」。なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか。構想三年。同名コンピュータゲームに触発されて、宮部みゆきがすべての情熱を注ぎ込んだ、渾身のエンタテインメント。 

 

www.kinokuniya.co.jp

 

 

ゲームもあります

ワンダと巨像はやったことあります

 

www.jp.playstation.com

 

www.youtube.com

 

 

宮部みゆきさんの他の作品

ブレイブストーリーとか好きです

 

www.osawa-office.co.jp

 

 

 

私はこの本が先でゲームが後だと思っていましたが、

どうやらゲームが先みたいですね

 

 

【感想】

 

 

この本のストーリーは

生贄として送り出された主人公が

霧の城という場所から

女の子と一緒に脱出する話です。

 

 

 

ゲームだとこんな感じ

 

 

 

www.youtube.com

 

 

何十年かに一度角が生えた子供が生まれ

その子を霧の城に捧げなければなりませんが、

主人公はなんとか生き残り、

霧の城から脱出を目指します。

 

 

 

その途中で白く喋られない女の子を

鳥籠の中で発見し一緒に逃げるのですが、

 

 

 

城の女王や黒いモヤに邪魔されて

なかなか逃げられない

 

 

 

その間に女の子の記憶が少しずつ

戻っていきますが、

ここに残ると言い出したり、、、

 

 

 

進行的には本当にゲームみたいです。

 

 

 

女の子がどういった感情で女王を裏切ったのか

角のある戦士はどうなったのか

なぜ贄には角が生えるのか

 

 

謎はいっぱいですが、

城にいる間の主人公の成長と

過去の女の子の成長や感情の描写が

すごいいいです。

 

 

 

この本のいいところは

主人公が別に強くないところ

 

 

 

むしろ弱いくらいですが、

弱いなりにも精一杯戦う姿がぐっときます。

 

 

 

過去編が壮大すぎて

女王怖いってなります。

 

 

 

 

 

 

ゲームや本の中でも

女の子の手をひいていける

主人公はとてもかっこいいですね

 

 

【総括】

どこの世界でもジェントルマンが1番

 

 

 

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【継続】武器になる哲学 04ルサンチマン【勉強用】

武器になる哲学を読みます。

 

 

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「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。現役で活躍する経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。


【本書で紹介するキーコンセプト】
●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために
・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス
・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか

●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために
・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル
・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか

●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために
アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム
・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか

●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために
シニフィアンシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール
反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか 

 

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4回目です

 

 

3日坊主(3回坊主)は脱却

このまま進めていきましょ

 

 

でも、

今回は、

量が、量が

多いんです、

 

 

ああ

 

 

 

【04 ルサンチマン】フリードリッヒ・ニーチェ

 

ja.wikipedia.org

 

 

 

ルサンチマン哲学書入門書の解説風に説明すれば

「弱い立場にあるものが、強者に対して抱く嫉妬、怨恨、憎悪、劣等感などのおり混ざった感情」

ということになります。

 

 

わかりやすくいえば「やっかみ」ということですが、

ニーチェが提示したルサンチマンという概念は

私たちがともすれば「やっかみ」とは思わないような感情や行動まで含めた、

もう少し射程の広い概念です。

 

 

ルサンチマンを抱えた個人は、

その状況を改善するために次の二つの反応を示します。

 

 

  1. ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する
  2. ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる

 

 

この二つの反応は、

共に私たちが自分らしい、

豊かな人生を送るという点で、

大きな阻害要因となり得ます。

順に考察していきます。

 

 

 

まず1点目です

例えば周囲のみんなが高級ブランドバッグを持っているのに自分だけが持っていない、

という状況を想像してください。

 

 

この時、自分が本当に欲しいものではない、

自分のライフスタイルや価値観には合わないとして、

そのブランドバッグを拒絶することはもちろんできるわけですが、

多くの人は同格のブランドバッグを購入することで抱えたルサンチマンを解消しようとします。

 

 

これらの、高級品・ブランド品が市場に提供している便益はルサンチマンの解消」

と考えることができます。

 

 

ルサンチマンを抱えた個人はルサンチマンを解消するための

「記号」としてブランド品などを購入するわけですから、

ルサンチマンを生み出せば生み出すほど、

市場規模は拡大することになります。

 

 

現代人は「平等性」について極めて精密なセンサーを持っていますから、

ちょっとした差に対しても、

ルサンチマンを抱えてしまう可能性はあります。

 

 

そして生み出されたルサンチマンは「記号の購入」という形で

解消されることになり、

かくしてラグジュアリーブランドなどの市場業績は、

この低成長日本においても堅調に推移している、

という具合です。

 

 

しかし当然のことながら、

このような形でルサンチマンを解消し続けても「自分らしい人生」を

生きることは難しいでしょう。

 

 

ルサンチマンは、社会的に共有された価値判断に、

自らの価値判断を隷属・従属させることで生み出されます。

 

 

自分がなにかを欲している時、

その欲求が「素の自分」による欲求に根ざしたものなのか、

あるいは他者によって喚起されたルサンチマンによって駆動されているものなのかを見極めることが重要です。

 

 

ここまでがルサンチマンの原因となる価値基準に隷属・服従する」

ことの危険性を指摘しましたが、

ここからはルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる」

ことの危険性について考えましょう。

 

 

ニーチェによれば、ルサンチマンを抱えた人は、

多くの場合勇気や行動によって事態を好転させることを諦めているため、

ルサンチマンを発生させることの元となっている価値基準を転倒させたり、

逆転した価値基準を主張したりして溜飲を下げようとします。

 

 

古代ローマ時代、ローマ帝国支配下にあったユダヤ人は貧しさにあえぎつつ、

富と権力をもつローマ人などの支配者を羨みながら、憎んでいました。

 

 

そこで彼らの復讐のために神を創り出した、というのです。

 

 

つまり「ローマ人は豊かで、私たちは貧しく、苦しんでいる。しかし天国に行けるのは私たちの方だ。富者や権力者は神から嫌われており、天国にはいけないのだから」

ということです。

 

 

神という、ローマ人より上位にあたる架空の概念を創造することによって

「現実世界の強弱」を反転させ、

心理的な復讐を果たした、

というのがニーチェの説明です。

 

 

ルサンチマンの原因となっている劣等感を、

努力や挑戦によって解消しようとせずに、

劣等感を感じる源となっている「強い他者」を否定する価値観を持ち出すことで自己肯定する、

という考えです。

 

 

さらにニーチェの指摘によれば、

ルサンチマンを抱えた人はルサンチマンに根ざした価値判断の逆転」を提案する言論や主張にすがりついてしまう傾向にあります。

 

 

そのようなコンテンツの典型例として、

ニーチェ自身は「貧しい人は幸いである」と説いた聖書をあげています。

 

 

他にも「労働者は資本家よりも優れている」と説いた『共産党宣言』も

このようなコンテンツに整理できるかも知れません。

 

 

両者とも全世界的に爆発的に普及したことを考えれば、ルサンチマンを抱えた人に価値の逆転を提案するというのは、

一種のキラーコンセプトなのだと言えるのかもしれません。

 

 

このような「価値判断の逆転」が、

単なるルサンチマンに根ざしたものなのか、

より崇高な問題意識に根ざしたものなのかを私たちは見極めなけれないけません。

 

 

だからこそ、

ルサンチマンという複雑な感情とそれが喚起する言動のパターンについての理解が不可欠なのです。

 

 

【感想】

 

フランシス・ベーコンはこんな言葉を残しています。

 

ja.wikipedia.org

 

 

富を軽蔑するように見える人々を余り信用しないほうがよい。

富を得る望みのない人々が、それを軽蔑するからである。

こういう人々が富を得るようになると、

これほど始末に困る手合いはいない

 

 

 

 

現代にはルサンチマンは確かに溢れていますよね。

私自身も他の人が持っているものを欲しがったり、

他のもので代用しようとする時もあります。

 

 

大切なのは自分の価値判断で物事を考え行動することだと思います。

 

 

 

【総括】

ルサンチマンのゲッシュタルト崩壊

 

 

 

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【読了】新章神様のカルテ【感想】

新章神様のカルテ読みました。

 

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320万部のベストセラー、大学病院編始動

信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。
シリーズ320万部のベストセラー4年ぶりの最新作にして、10周年を飾る最高傑作! 内科医・栗原一止を待ち受ける新たな試練!

【編集担当からのおすすめ情報】
「新章 神様のカルテ」に寄せて
神様のカルテ」を書き始めて、いつのまにか十年が過ぎた。私の歩んできた道を追いかけるように、栗原一止の物語も五冊目を数え、本作をもって舞台は大学病院へと移る。栗原は、私にいくらか似たところはあるが、私よりはるかに真面目で、忍耐強く、少しだけ優秀で、間違いなく勇敢である。そんな彼が、大学という巨大な組織の中で描きだす、ささやかな「希望」を、多くの人に届けたいと思う。
夏川草介 深夜2時半の医局にて
 

 

 

www.shogakukan.co.jp

 

 

作者の夏川草介さんは本当の医者なんです。

小説もかけるなんてすごいですよね

 

 

ja.wikipedia.org

 

2011年に嵐の櫻井翔さん主演で映画もやってます。

 

 

movies.yahoo.co.jp

www.toho.co.jp

 

 

神様のカルテ好きなんです。

 

 

神様のカルテシリーズほんといいんです。

 

 

好きな本がシリーズものででると本当に嬉しいんです。

 

 

ハルさんみたいな人と結婚したい、、、

 

 

【感想】

 

今作も本庄病院から、、、

ではなく大学病院から始まります。

 

 

 

学生になってるし小春ちゃん(娘)いるし

いろいろ進んでてびっくり

 

 

 

大学病院で研究や勉強に勤しむ傍ら

今まで通り医者の仕事をするハードな毎日を繰り返す主人公

 

 

 

地方病院と大学病院の違いや

新しくできた後輩

医局の頭の固い人たちとぶつかりながら、

命に向き合っていく物語です。

 

 

 

自分も大変なのに患者のことや後輩のこと

奥さんと子供のこと

いろんなことを大事にしてまっすぐに頑張っている姿がすごくいい

 

 

 

正論だけでは通せないし

現場の意見はなかなか上には通らないものですよね

 

 

 

 

 

神様のカルテは名言がいいんです

 

 

「僕らは上司の機嫌をとるために働いているんじゃありません。患者さんを治すために働いているんじゃないですか」

 

 

 

まっすぐな気持ちが伝わってきて「おお」ってなります

 

 

 

あとは

 

 

 

真面目とはね、真剣勝負の意味だよ

 

 

 

夏目漱石の言葉らしいです

この本だからしっくりきます。

 

 

 

 

ご主人の不安は、なくなるものではない。我々のなすべきことは、

不安がなくなるまで漠然と待つことではなく、不安を抱えるご主人に向かって“それでも大丈夫なのだ”と告げることだ。

どれほど不安でも、“我々が全力で支えるから心配するな”と

 

 

 

かっこいい

 

 

 

 

 

正しいことをするために

いくつもの問題を超えなければいけない

正しいことなのに最短で進めない歯がゆさがあります。

 

 

 

 

何事も簡単進まないものですよね

でも自分が決めた道をまっすぐ進むのはとてもかっこいいことだと思います。

 

 

 

【総括】

何事も真剣勝負

 

 

 

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【読了】サラバ!【感想】

サラバ!読み終えました。

 

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小学館文庫『サラバ!』西加奈子|小学館www.shogakukan.co.jp

 

 

作者西加奈子さんの作家10周年記念作品であり

本屋大賞第2位であり

直木賞受賞作品でもあります

 

 

これまでの本屋大賞 | 本屋大賞www.hontai.or.jp

 

直木賞-選評の概要-第152回|直木賞のすべてprizesworld.com

 

 

もーてんこ盛り

何度も書いてますが本屋大賞受賞作は本当に面白いんです。

 

 

 

今まで多分100冊とか200冊とか読んできましたけど、この本はぶち抜けて面白いです

私の好きな本ベスト3には入ります

 

 

 

村上春樹好きの私も西加奈子に浮気してしまうくらい好きです

西加奈子さんの作品本当いいんですよ

 

 

絶対最後『サラバ』って言っちゃいます

 

 

あらすじ

これは、一人の男が生まれ成長し、挫折と裏切りにも似た絶望を感じ、再び思い出の地で何かと向き合う気持ちを固めるお話です。

主人公・圷歩(あくつあゆむ)は父親の海外赴任先である、イランの病院で制を受けた。その後父と母、問題児と云われる姉と共に革命のために帰国を余儀なくされた歩は大阪での新生活を始める。その後再び父親の赴任先が移動し、圷一家はエジプトへと移る。そこで歩は一生涯の親友・ヤコブと出会う。だがしかし、両親が離婚することになりヤコブともお別れに。圷一家が朴一家がばらばらにいくなかいく…。近所に住む教祖のごとく祀り上げられている矢田のおばちゃん、阪神大震災、様々なことを経験しながらも、ライターとして働きとくに問題もなく自分は、自分だけは生活しているはずだと信じていたのだが―

 

 

【感想】

この本は今まで容姿にも恵まれ

順風満帆にやってきたが

歳をとるにつれてなにもかも上手くいかなくなり

クズになった30代男性が救われる本です

 

 

 

サラバ!で1番好きなところは

題名にもなっているサラバのところなんですけど、

 

 

 

少年時代エジプトでヤコブという親友に会うんです

日本からエジプトに移ったため言葉が通じません

でも少年時代の主人公とヤコブは言葉が通じなくても、

お互いの気持ちが理解できるんです。

『サラバ』という言葉だけで

 

 

 

少年の時はそれでいいんです

『サラバ』だけ話せれば分かり合えるんです

 

 

 

時が経って大人になります

若い時は持ち前の容姿でどうにかなっていましたが、

どうにもならなくなる

成長しない自分、

それでも時は流れます

 

 

 

物語の最後で

主人公は少年時代の親友ヤコブに会います

大人になった2人は会話ができます

言語が通じ合うのですが、

心は通じ合いません。

 

 

 

昔はあんなに簡単だったのに

大人になってわからなくなる

成長していたつもりになっていただけ

 

 

 

ヤコブから『サラバ』と言われ

言葉も体裁もいらない

『サラバ』だけあればいいことに気がつき

主人公は永い時を得て『サラバ』を思い出した

 

 

 

というところが好きです。

 

 

 

本当に大事なものはなにか

主人公は知っていたのに、忘れていました

 

 

 

それを最後に思い出してまた一歩踏み出していく

大切なものを、信じるものを自分で決めていく

 

 

 

本当に大事なことほど、

大人になるにつれてわからなくなってしまうのかもしれません。

 

 

 

 

 

この本好きすぎるんで

この本の名言も載せときます。

 

 

 

「確かに私は、色々なものを信じた。そして傷つき、打ちのめされてきた。でもね、歩。私は少なくとも、信じようとしたのよ。あなたは違う。何かを信じようとしてこなかった。」

 

 

 

主人公の姉が言った言葉です

 

 

 

「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」

 

 

 

うーん、深い

 

 

【総括】

人生挫折と成長

サラバ!!!!!!!!!!!!

 

 

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